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武装錬金ファイナル
『夏休みが もうじき終わる――』

…なんですか、この漫画は。1ページ目からいきなり私の涙腺緩めてどうするんですか。
夏休みが終わるという事は、カズキのタイムリミットも示しているわけで…その。週刊ラストでのカズキの選択がわからん以上、このタイムリミットはやっぱ怖いわけで。
ああ、このはしゃぐカズキと引っ張られる斗貴子さんが可愛いなァ。
あとこの煽りは卑怯だと思います、ちゅーか泣く。まるで自己犠牲エンドを思わせるような煽りをしやがってさー(号泣)
どうでもいいけど、カズキが手に持ってる缶ジュースはドクターペッパーだったらいいな、とか思いましたよん。ちゅーか、私はカズキの味覚をなんだと思ってるんだ(答:ゲテモノ食い<ヲイ

見開き扉絵はカズキ・斗貴子さん・パピヨン・剛太の4人。例のキャッチフレーズポスター以降、なんかこの4人ってセット扱いだなぁ。
今までよりもなんだか大人びていてちょっとドキドキした…。
そして久しぶりに見たガクラン姿のカズキに素でときめいたと共に、その決意を秘めたような表情になんだか切なくもなった。

場面転換…というか回想かな。パピヨンのラボ。
カズキとパピヨンと桜花先輩、制服姿なんで多分前回の後…学校からの帰宅後っちゅー感じかなーと思ってるんですが(カズキは寮に帰らずに直接こっちによって、みたいな。ちゅーかよく場所がわかったな…あ、桜花先輩に連れてきてもらえばいいのか)
カズキはパピヨンに自分が選んだ選択を伝えたようでー…んー、カズキは
「オレとオマエと…斗貴子さんが少し我慢しなくちゃならなくなるけど」
「上手くやれば みんな助かる!」
と言ってるんですけど、でも桜花先輩の困惑の表情を見るかぎりじゃきっとそんなに甘い選択でもないんだろうなー…というのはわかるわけでー…どんな選択をしたんだろう?でもパピヨンもその選択に乗るという事は、まあただ闇雲に一から白い核鉄を作ろうというものよりは条件はいいのでしょうが。
(この場面転換最初のコマのパピヨンがなんか妙にカッコイイな、うむ)
パピヨンもしかし色々とアレだよな、自己を肯定してくれた存在との決着の為に彼を救おうと足掻く。
己の全てをかけてカズキを肯定する、その意志と意図。その辺をカズキはきちんと理解してるんかなー…とかちょっと思ったりもするんですが。
(この辺ちょっとまとまりきらないのでまた今度にでも、パピカズ者じゃないのだけれどもこの辺の思いとかは考えると色々楽しい)

再び場面転換、今度は瀬戸内海のとある島…の、地下。戦団の秘密基地みたいな感じ?
ヴィクターvs.男爵様の光景を監視しながら。…やー、このバトルって夏中ずっとやってるんか?どうするんだ?みたいな事をちまりと思ったりもしてたんですが、その辺に関してのフォローもきちんと入ってました。
まあ、流石に照星さんの男爵様だけでずーっと戦うのは無理ですわな。そりゃそうだ。
それよりも、何気に剛太と毒島たんが一緒にならんでるのがなんだか可愛いのですが、ちゅーか毒島たんの中の人まーだー?
流石にそんな状況でもないでしょうけどねー…残念。

そんなこんなで最後の頼みの綱は大戦士長の「破壊男爵(バスターバロン)」と武藤カズキの「白い核鉄」
言いかえるなら―「カズキの選択次第」

ヴィクターと男爵、急速接近。交戦開始―多分、最後の。
そして時同じくして剛太の携帯に届く白い核鉄完成の、知らせ――。

再び銀成市、夏祭りから少し外れの公園でいつものメンバーを待っている斗貴子さん…を見つけて駆け寄るカズキ。
無邪気にはしゃぐカズキと、少しだけ不安を覗かせる斗貴子さん。
夏休みが終わる―その前に、ヴィクターの事も、白い核鉄の事も決着をつけなければならない。時間はあなりにもなくて、なのにつけなければならない決着はあまりにも大きくて重いもので。

そんな斗貴子さんに、軽やかな笑顔を向ける。
「この間 斗貴子さんから」
「勇気を分けてもらったからね」
……えーと、なんですか?このいちご濃度の高さは。
何気にこのカズキの笑顔、好きだなァ。
団扇で顔を隠しつつ、赤面っぷりが隠しきれない斗貴子さんかーわーいー。しっかりあの勇気を分けたシーンも思い出してますよ!ストロベリー。
そうして、それでも不安を覗かせてしまう斗貴子さんに。
「この間分けてもらった勇気
 少し返そうか?」
………ぐはっ!斗貴子さんの肩を掴んでカズキってば何を言ってますか!単行本1巻じゃ斗貴子さんと肩が触れただけでドキドキしてたカズキが!!あのお子様は何処の行ってしまいましたか、ああストロベリー濃度が高過ぎます。誰かたーすーけーてー(無理
完全に赤面で目を見開く斗貴子さんと、少し頬を赤らめて斗貴子さんに微笑みかけるカズキがもー、かーわーいーいー。
あかんあかん、さっきのカズキの笑顔も好きだけど、こっちのカズキの笑顔も好きだなぁ。可愛いなァ。
なんだかこの辺は本当に純粋にストロベリーっぷりに悶絶しながら読んでましたよ、あまーい、あまーーーい。

まあ、カズキと斗貴子さん二人だけで待ち合わせなら別にこのままちゅーでも問題ないんですけどね!
そんなわけでまひろちゃんナイスなタイミングで現場到着、そりゃ見つかるわ斗貴子さん。油断し過ぎだよ、うひ。
斗貴子さんはこういう赤面系であわてると途端に隙だらけの女の子になっちゃうところがよいなぁ。
いやー、義理の妹の前で既成事実作っちゃったねー(笑
マッピーの「おめでとー」にテレながらもぼそりと「…ありがと」と返してるあたり、まあまんざらじゃないんでしょうけども。

そんなストロベリー空間にヘリで剛太と毒島さん登場、勿論…カズキと斗貴子さんを迎えに。
「また任務?」
まひろはカズキにとって日常の象徴、だから非日常そのものである現在のカズキとはどうしても切り離されてしまう。置き去りにしてしまう。
でも「お兄ちゃんは ”みんなの味方” だもんね」と、笑顔で…寂しさを押し殺して見送るマッピーは…本当に良い子だよなぁ。
カズキは本当の事をまるで何も伝える事ができない事に、苦しんでいたりするのかなぁ…するんだろうなぁ。
(そーいやココで斗貴子さんマッピーのこと「まひろちゃん」と呼んでるな、今まで名前で呼んでた事なかった気がするんでちょっと新鮮)

この辺のカズキの表情を隠した演出と、その後の穏やかで決意を秘めた表情のコントラストとか。
二分割されたまひろの表情とか、本当に演出上手いよなー。和月先生は本当に漫画が上手い作者だよなぁ。

カズキは
「今度は少し
 長いお別れになるけど」
と、告げて。
まひろはその、お別れをぐっと飲みこんで。それでも飲みこみ切れない感情が少し涙になって零れ落ちて。
多分ね、多分だけどもまひろは軽度にブラコンなんじゃないのかと思うのデスよ。斗貴子さんに懐いてる風に見せてるけども、それでもやっぱりカズキの事が心配で、不安で、きっと夏のあの日にカズキが帰ってきた時は本当に…本当に嬉しかったと思うのデスよ。
無論、其の時カズキは何も問題が解決しておらず…解決どころか最大の選択に迫られていたりしたんですけども。
まあそれでも、カズキが帰ってきて。兄がいて、斗貴子さんがいて、友達や仲間たちがいて。
そんな当たり前の日常を、きっと喜んでいたと思うのデスよ。
けれども、兄は再び出て行くのだと言う、それも長い”お別れ―”
仕方がないと、お兄ちゃんはみんなの味方なんだから、と。そうやって自分で自分に言い聞かせて、無理やりに納得させて。

でも、斗貴子さんを泣かせるような事があったら怒るよ―と。
斗貴子さんを泣かせるような事ってのは=カズキ自身が無事じゃないって事なんだよね。きっと。
遠まわしに「無事に帰ってきてね」って事なんだよね、そうなんだよね。
うん、カズキは本当に皆の幸せの為にもちゃんと帰ってこないといけないんだよ…ね。

そーいやカズキが「お別れ」と告げた言葉をまひろは「任務」と言い換えてるんだよねー…それって、やっぱり他の人たちに心配かけないようにってそういう事なんですよねぇ…。
兄妹そろって他者への心遣いがまずありきなところが、たいしたもんだよ。
(ちゅーか、本当にこの兄妹を育て上げた親御さんの顔を見てみたかったもんでございますよ。どんな親なんだろうなぁ)

ヘリで飛び立ったカズキ達の視界にブラボーと千歳さんの姿。
ぶらぼう!Tシャツの事とか千歳さんのミニスカートとか、突っ込まないぞ、突っ込まないともさ!(反応した時点で私の負け)
この辺のブラボーはやっぱダイジェスト的に顔だしましただけ感はどうしても拭えないんですがー…まあ、出番があっただけ良かったかな?
普通に恋人同士な雰囲気のブラボーと千歳さんの間柄にもうちょっと補完が欲しかったです…が、流石にそれは普通に連載続いててもあんまり扱われなかったと思いますけども。

日も沈み、夜のニュートンアップル女学院。
完成した白い核鉄と、最後の問いかけ。
「誰に使うのか、決めた?」
…と。
なんでアレクサンドリアさんはこの最後の選択をカズキに丸投げしちゃったのかなー?
と、思うにきっとアレクさんも最後の最後で弱い人だったんじゃないのかなー…とか思ったりも。この辺は既に色んなところで語り尽くされてる感もあるところなんですが。
人外のものと化してしまった旦那を救う為の研究、でもその研究にまるで関係ない少年を巻きこんでしまった。
救えるのはどちらか一人、願わくは愛している人を救いたい、けれどもその為に無関係の少年を見捨てる事はできない。
最後の最後で、結局選択し切れないのがきっと普通の人なんじゃないのかなー…と思うと、私はカズキかヴィクターそのどちらかを選べなかったアレクさんの弱さを責める事はできないよなーとか思いましたよ。
いやまあ、そんな重大な選択を丸投げされたカズキも災難なんですけど。

完成した白い核鉄を手に、一人準備が整った事を確認するカズキ。
…の、前でゆっくりと崩壊を始めるアレクサンドリアさんの脳。本当に、ごめんなさいと陳謝の言葉を述べながら。
それでも最後に、もう一度よく考えて―…と、最後の最後まで結局選択し切れなかった彼女だけれども、それでも、それでも最後の最後まで彼女なりに悩んでいるんだなー…とか思うと切ないなァ。
カズキの選択を、信じたいと思ってるんだろうなァ。

場面転換、ヴィクターとバスターバロンの戦い。
この辺のバトル一発勝負みたいなところはあんまり感想書きようがないんだけどもー…って、ヴィクターエネルギードレインっぷりがちょっと尋常じゃなさすぎます。ちゅーか海洋生物まきこむなー(そういう問題違う)
これ、海の上だからいいようなものの…地上に上がってきたら一発だよなァ。錬金術は全て破壊するどころの問題じゃないわさー。

そして、秋水先輩お帰りー!!いつの間に戦士になってたんですか(ヒント:展開の都合)
不覚にもバロンの手からソードサムライXが出てきたときにとっさにページを閉じてしまいましたよ(何故閉じる)なんか動揺して。
バスターバロンの特性はサブコックピットに乗った戦士の武装錬金を全て丸ごと増幅するもの。ああ、それならシルバースキンを増幅させてヴィクター抑えれたかもしれんわな。
…って、そうやって考えるとなんで戦団の本隊はブラボーをもうちょっとしっかり確保しておかんかったのかしらん。とか、いやその。迂闊だよなァ。
(ブラボーの性格知ってそうな照星さんとかなら絶対にブラボーが一人で突っ走るのは理解してそうだし。もうちょっと簡単にヴィクター3は抑えれると思ってたのかなァ)
エネルギー攻撃を受け流すというソードサムライXの特性がまさかこんなところで有効活用されるとは思いもしませんでしたわ。ちゅーか、先輩覚えられててよかったよ。
そんな勢いで再殺部隊の面々も男爵に乗りこんで総攻撃、でも移動技でしかないシークレットトレイルはちょっと使い道ないんじゃー…とか言っちゃいけませんかいけませんね、激戦はどうなるんだろうー…。でもこういう総攻撃とかは嫌いじゃないんだ、突っ込みはいれるけど。

バスターバロン自体もブースターで突撃、男爵様は無敵ですー。
ヴィクターを撃破…と思わせて、本体出現。先ほどまでの巨人の体はエネルギードレインした海洋生物の死骸で組み上げた擬態。
…ああ、色々フォローはいってるなー。この辺、正直この巨大化とかは流れの勢いだけで描いてて、きっとあんまりフォローとかはいらんのだろうなーとか思ってたんでちょっと意外でしたよ。
大戦斧の武装錬金 フェイタルアトラクションはちょっと振りまわしたら手からすっぽ抜けそうな形状だよなー…とかいう感想は今はあまり必要ではありませんね。
(ちゅーか何気に形がちょっと変わってないか?とか思って確認したら確実に変わってた、なんでや)
フェイタルアトラクションを叩きこむ絵を見る限りじゃ、空間をねじるように衝撃を与えてるみたいにみえるんだけども。どうなんだろう。

そろそろ、決戦の地へと到着しようとするカズキ達の前にパピヨン登場。
冒頭でカズキが注文した”二つのうちの一つ”を携えて。

カズキが選んだのは「ヴィクターかカズキか」ではない三つ目の選択。
ヴィクターを救い、己をも救おうとする選択。
この辺、ちょっと暫定最終回でのパピヨンに影響された部分があったりするかなー?とか思わなくもないんですが。
ヴィクトリアは「選択肢があるだけ幸せよ」と言い。
パピヨンは「選択肢がないなら自ら作る」と言ってのけた。
だから、カズキも選んだんだろうと。自分なりに考えた「選択肢」を。

しかし、人工冬眠で仮死状態はいいけど…パピヨンは年取らないからいいとして、斗貴子さんとの年が離れちゃうじゃないのさ、カズキン。
年上好きだから無問題なのか?<そういう問題か?

………えーと、コールドスリープとかそういうネタは大好きです、きっぱり。

なんか、この辺の剛太とのやりとりとか。ちょっと色々と自分的に萌えな部分が多いんですけど。ただでさえ尋常じゃない文章量になってるんでまた別枠で語ります。
や、なんかもう燃えて萌えてたまらんよ。大好きだ。

少し、長いお別れ。
けれども、永遠ではない。

永遠には、決してしない。

決意を秘めて、カズキと向き合う斗貴子さんの瞳に…ちょっと打ちぬかれた気もしますが。
永遠ではない、永遠にはしない。その為にカズキと共に行こう、共にその選択を選ぼうと。斗貴子さんの、そういった強さを秘めた瞳はとても大好きです。
(んでもそんなシーンで不覚にも『永遠に』をBGMにしてしまった自分に激しく反省しつつ、理由は後述)

(そーいやニュートンアップル以降、なんでカズキと斗貴子さん制服姿になってるんだろー…。やっぱり最終決戦は学ランが似合うからか?)

場面転換、月明かりの下。
ヴィクターのフェイタルアトラクションの前に敗北を察し、責任は自分にあると、だから部下達は見逃して欲しいと。
そんな照星さんの言葉も、決してヴィクターに届く事なく。
錬金術に関わるもの、その全てを葬り去ると。

力はあくまで力、世界に不幸をもたらすとすれば、それは扱う者の邪悪な意志。
では、その邪悪の意志とは…―。

ああ、100年前の戦団ってばなんてろくでなしなんだ。
ヴィクターを討つために、なんで年端もいかないヴィクトリアを巻き込むんだよ。彼女はただ、父の帰りをまってただけなのに。
何故、ヴィクトリアがホムンクルスになったのか?もココで語られたのですがー…そりゃヴィクターも錬金術の力に憎悪を抱くよなぁ。

化物となった父親を討つために、年端もいかぬヴィクトリアに責任を負わせ化物として。
しかし、戦団がこうしてホムンクルスの追撃部隊を組織できたってことは、戦団自身もホムンクルスを利用してた部分があったのかしらん?とか。うーん、戦部さんの弁当確保先とかから考えてホムンクルスを作る技術くらいは普通に持っていそうな気はしますけどね。
そうして100年前の戦団の責任を、今の戦団が背負わなければならないというのも何とも言えない話ではあるのですが。
ちゅーか、100年前の戦団の対応のあまりのまずさが今の戦団に降りかかってるってのが不幸な話だよなぁ。
少なくともヴィクター自身は良き父であり正しき戦士であったのだし、変異の原因となった黒い核鉄を作ったのがアレクさんである以上はきちんと対応さえすればもうちょっと…なー。うーん。
(その辺があれだな、カズキの「最悪の場合は自分で責任をとる」とかみたいに。そういう方向には持って行けたとはおもうのだけど)

偶然、ヴィクター同様に変異をとげた少年。その少年をも戦団は一方的に再殺しようという。
再殺は、戦団においては「必然」

あまりにも、あまりにも一方的で理不尽な戦団のやり方に、ヴィクターの怒りも納得するしかありません。
てーか、本当に前々から言ってるけど戦団ってやり方まずいよねー…黒い核鉄が賢者の石への第一歩なのだとしたら、戦団で上手いこと確保して利用するとかそういう方向もあったはずなのにねぇ。
(まあ、戦団上層部の思惑はわからんのだけどもな。それに振り回されるのが現場部隊だったりするのかなぁ…)

ヴィクターの怒りに、言葉を返すことも出来ずに苦悩の表情を浮かべる照星さんも切ないですよ。
照星さん自身は今回の作戦をどのように上層部から指示されているんかなー、そして彼自身の想いはどんなところにあるんかなぁ。
(照星さん自身のキャラクターの掘り下げはやっぱまだ甘いとは思うのだけどね、まあ後半の後半に出てきたようなキャラだから贅沢は言えませんけど)

そんなヴィクターの前に白い核鉄を携えたカズキ達の登場。
このカズキと斗貴子さんの「一心同体」はとりあえずおいといて(おいとくのか)
パピヨン・剛太と一連の連携がなんかすげー。
剛太のモーターギアがちょっと威力ありすぎに見えなくもなかったですがそこはスルー。

「貫け!オレ達の武装錬金!!」の、達にちょっと萌えたんですが(ピンポイントだな)

そして、ヴィクターの胸に白い核鉄をたたき込む。
激しいエネルギー放出、これでヴィクターは人間に戻るのかー………。

あー、第三段階に進んだヴィクターには白い核鉄は出力不足だったのですが。
アレクさん、ちょっと効果が足りなかったみたいだよ(涙
怒りに身を任せたままのヴィクターに、カズキとともに立ち向かおうという斗貴子さん。
「キミが死ぬ時が 私が死ぬ時だ!」
…えーと、ここで…決定的な違いがでちゃったかなー。ってのが正直な感想。
斗貴子さんは、カズキに死ぬ時は一緒だと言った。
けれども、カズキはたとえ自分が死ぬとしても、斗貴子さんには生きてて欲しいと思ったんじゃないのかな?と。
ともに想いが通じ合ったように見えて、けれども決定的なところで大きな壁があったんじゃないのかな?と。
だから。

「ゴメン 斗貴子さん」
「その約束 守れない」

「本当に ゴメン」

離れた手が、差し伸べた…けれども届かない手が。とても悲しく。
あまりにも綺麗で、穏やかで、透明なカズキの微笑みが。あまりにも切なくて。
あー、泣いたなー。カズキのばかー…。

あまりにも静かな「ゴメン」と、続いての斗貴子さんの剛太のパピヨンの叫びのコントラストが激しいです。
っていうか、あーうー…カズキのばか…。

場面転換、再びヴィクトリアサイド。
あ、こっちの補完はもう入らないと思ってたんでちょっと意外だったにゃん。
母と娘の、最後に交わす言葉。
なんか…このアレクさんの最後の言葉を聞くに、彼女はきっとヴィクターが人間に戻ることは…助かる事はないと。
だからこそ「もし パパに会えたら」…と。
そうして、ヴィクトリアの「私は独りでも」「生きていける」が…つらい、ね。
ただ、巻き込まれただけ。
この黒い核鉄の件である意味一番の被害者は、きっとヴィクトリアだったのだろうな。と。
父と母がたとえ関係者であろうとも、彼女自身には一切関わりの無い話。
あるいは、彼女こそがヴィクターにとってもアレクサンドリアにとってももっとも幸せになってもらいたい存在だった。一番愛した存在だった、はずなのにね。
なんとか、彼女が幸せになれる術はないもんかねぇ…。

その瞬間、ヴィクトリアの…否、彼女だけでなく「彼」に関わった全ての人の上空を駆け抜ける一筋の光。
月に向けて、一直線に。
その光を見て、口々に名を呼ぶ。彼の名を。
そーいや、それぞれにきちんとカズキの呼び方違うんだね。なんかちょっと…些細な事なんだけど、そういう細かいところがいいなぁ。

場面場面で、今回なんだか月が印象的に描かれてるなーとは思っていたのですが。
ああ、まさか月に行っちゃうとは思いませんでしたよ。なんちゅーか、ここに来て凄いハッタリをかましてくれるなぁ。ああ、燃えるなぁ。
何気にvs火渡の時の上昇が伏線になってたのかなーとか、あんまそこは気にしなくてもいいか。
命なき月の世界ならエネルギードレイン関係無しに戦える。ただし、勝っても負けても、再び地球には戻れない。
その覚悟は、どこから―…?

地球を背に「あの惑星(ほし)から」と。
あそこには、守りたい人達がいる。一番、大切な人がいる―。

あああー、燃えた、マジに燃えた。なんですかこの王道少年漫画展開は!今時、ここまで真っ直ぐに、そうして壮大に『守る事』を歌い上げた少年漫画がありますか!!
月でなんで会話ができるんだ?とか、突っ込みどころは全面的に気にしない方向で。だって少年漫画だもん(ええー
(んでも初読の時はその勢いにのまれて突っ込みの一つもでてきませんでしたが、ああ…熱い)

えーと、どこのサイトさんだったかなー…武装錬金を守り人の物語だ、と称してたサイトがあったんですけど。
ああ、正しくその通りだ。週刊のラストで「ボーイミーツガール」に回帰させた物語を、今度の赤マル版は「守り人」の物語へと一転させたのだな、と。
少年と少女が出会い、惹かれあって強くなって。そうして週刊版ラストで互いの思いが通じ合った先を、…誰よりも「大切な人」となった少女を、今度は己の全てをかけて守ろうと。彼女だけじゃない、彼女と彼女に関わる全ての世界を守ろうと。
そうした、あまりにも真摯な「守り人」の物語へと。

ああ、カズキの馬鹿ー。うああー、それでも例えカズキが守ろうと、命をかけて斗貴子さんを守ろうとしたところで。
その世界で、斗貴子さんの世界で一番大切なカズキ自身がいなきゃ何の意味もないじゃないかー。ばかーばかー。

でもその守り人は、あくまでも自己犠牲で自己満足でしかないんだよね。
自分自身はそれで満足かもしれないけれど、じゃあそれで残された人のことを考えたのか?と。
それじゃあ心中宣言した時の防人と一緒だよ、と。自分自身はそれで満足かもしれないけれど、その先の事を考えたのか。その結果を考えたのか?と。

なんだかんだでブラボーとカズキは似たもの師弟だったのかしらん、ねぇ。
そんなところは似るなよォ。

もう、楽しかったコトしか思い出せないや―…と、そんな柔らかな口もとの微笑が…ねぇ。
なんかもー、このページだけでなんか普通にボロ泣きしちゃったよ。やめてー、走馬灯はやーめーてー。

ただ、ただただ泣き崩れる斗貴子さんと、斗貴子さんを泣かせた事に(というか、まあ一人で行ってしまった事に―になるんだろうけども)激怒する剛太と。
んでも一番重いなーと思ったのが、パピヨンの「これで 俺の名前を呼ぶ者は」「誰も いなくなった……!!」が1番重くて切なかったんですけども。

彼と彼等を取り巻く世界に、カズキがいないというたったソレだけの事が、なんと悲劇的なことなのかー…というわけで。

武装錬金ファイナル おわり、冬の赤マルジャンプ掲載予定の武装錬金ピリオドへ続く。

…って、えー。ココまでに流した私の涙はどうしたらいいのですか(うわー
いやまあ、結構前から実しやかに錬金ちょっとだけ続くらしいよ?みたいな話はされてたんですがー、でも冬かー…長いなァ。
このひきで冬まで待てっていうのが、なんともはや。やたらと切ない思いのまま、待ちつづけたいと思いますよん。
んでも、今回の赤マルがいつもよりやたらと売れて、うっかりアンケートでも武装錬金が好評だったりしたら季刊連載になったりするのかしらん。どうよ?
そして弟さん曰く「じゃあ「ピリオド」「クライマックス」「グランドフィナーレ」だな」だそうですけど。いや、それでもいいよ!続くならいっそ大歓迎じゃ。

ああそうそう、んでゴスペラーズの「永遠に」をBGMにしてたんですけど…まあ、いいから歌詩を読め。G10かLOVE NOTESかシングルかソウルセレナーデに収録されてるから。アンプラグドver.ならひとりに収録か(てか収録され過ぎじゃ)
もし、このまま今回がラストだったらの別離エンド(自己犠牲エンド)にあまりにもぴったり過ぎて(と、自分的には思ったのだけど)ちょっと本気で涙がでそうです。

「あなたの風になって 全てを包んであげたい」

あー………カズキは可及的速やかにさっさと帰って来いー。うあーん。

永遠にを振っておいて、そのまんまなのはあまりにも投げっぱなしなんで多少フォローしておくと、自分的解釈として永遠にという曲は死に別れの歌というイメージがあるんですよ。や、あくまでも自分的解釈で。
しかも男性の方が遠くに行ってしまったイメージ。
(ちゅーても解釈自体は他にもあるっぽいんだけどね、安岡氏は歌詩に色々解釈がある事をよしとしてるようだし。ちゅーか故意にそーいう歌詩を書いてる節もあるしな)

「永遠に」
「あなたの風になって」

そうして―「愛しい人よ」

…まあ、そういう歌詩。
だから今回が本当に最終回だったら、の自己犠牲エンドにぴったりだなーとか思ってしまったわけでして。ああ、痛い痛い。激痛だ。

ただまあ、自己犠牲エンドというか、別離エンドが嫌いなわけじゃないのですよ。
ちゅーかまあ、ラストの別離があってこそ成立する物語とかも世の中にはあるわけだし。
でも、私は武装錬金にそれを求める気は無いし。
彼と彼女と、彼等を取り巻く全ての人々が等しく救われる物語を、やっぱり期待してしまうのですよ。
や、その「救われる」ってのが精神的な意味を含めて、ではあるんですけど。
(やっぱり最終的にはパピヨンとの決着をつけてもらいたい部分は大きいしね、んでもその決着ってのが単純にバトル勝負ってだけでもアレかなーとは思わなくもないけども)
(しっかし、そうやって考えるとパピヨンとの決着ってどういう状態が本当の意味での決着になるんかしらねー…うーん)

冬のピリオドがどの状態から始まるのか?が、まるで想像つかないんですけど、ね。
なんか…できる事ならファイナルの話の数年後ー…とか、そういうのだけは避けて欲しいなーとか思ったり。
カズキと斗貴子さんの年齢差をあんまり離したくないなー、って。うん。
それにやっぱり夏休みが終わったら、カズキには学園に戻ってもらいたいなーって。また、日常に戻ってもらいたいなーって。
勿論、その日常には斗貴子さんや剛太やパピヨンもいてもらいたいんですけど、だからちょっとだけ普通とはずれた日常。
そんなずれた日常が、きっとカズキには似合うんじゃないのかなー…。
まあ冬次第なんだけどもな。長いよ、冬までは…(ちゅーか、そーいや赤マルの冬号って買ったことなかったな。いつ頃発売なのかしらんねぇ)

後回しにした萌え方面、語るよー。
今回はとにかく、剛太がカズキになびいたー!!ってのが大きくて大きくて(なびいた言うな)
や、もう。あの人工冬眠云々の後での
「お前は安心して戦って眠って」
「そして必ず帰って来い!」
に、ああもう。萌えた萌えた。あくまで握手が無かった事まで含めて萌えたじゃないですか(そこまで込みなのか)
恋敵ではなく戦友として、ってのがまた。剛太的にはあくまでも斗貴子さんというワンクッションをいれつつも、けれどもそれはどう見ても斗貴子さんを言い訳にカズキを思い遣ってるようにしかもう見えないのですよ。私には!
…あー、そこそこ。フィルターかかってる言うな。理解はしてる。
そしてラストの激怒してるところも、もう…ねぇ。斗貴子さんを泣かせて、なんて言ってるけども…わたしにゃやっぱ自分自身の怒りにしかみえませんのですよ。
剛太はまあ錬金戦団というかなり特殊な環境で育っていたんで、その価値観というか世界観にある意味特殊なものを持っていたと思うのだけども。
その、閉じた特殊な世界に外から光をさしこんだのが。やっぱりカズキだったと思うのよ、ね。
斗貴子さんは道を指し示した、そうして歩んだ先に光をさしこんだのがカズキだったんじゃないのかな、と。
だもんでねー、光をさしこむだけさしこんで月に跳んで行ったりなんかしたら…そりゃねぇ。剛太じゃなくても怒るって。

まあ最終的には可及的速やかにカズキは帰ってこいと、そういう話に以下略。

しかしどうやって月から帰ってくるのかねぇ…戦団にスペースシャトルの武装錬金使いとかいないのか(無理言うな、というかスペースシャトルは武装じゃありません)
ま、あるとしたらフェイタルアトラクションの特性がまだ出てきていないのでその辺が鍵になってくるんじゃないかなー?と思うのデスが。

:吐き出しそこねた諸処。
今回とにかく思ったのが、画面のクオリティーの高さ!なんだ、なんだこの画面の美しさは!!
和月先生は元から仕上げレベルでのクオリティの高い人ではあったんですけど。でも、ソレを差し引いてもとにかく綺麗。しかも綺麗なだけじゃなくて迫力もあるというのが、凄過ぎるですよ。
赤マルって雑誌はやっぱり新人さん雑誌なんで、どうしても総合的な画面クオリティは落ちてしまうのですが。
(そこを落とさないように頑張るのが新人のやるべき姿だと思うのだけどねー…最近ちょっと新人の最終的な仕上げレベルが全体的に落ちてる気がするよ)
その中にこんな高レベルのものを持ってきちゃって…ねぇ。ちょっと差がつき過ぎだと思います。
構成もすげー!と、緩急のつけ方とか、参考になるなー…(レベル高過ぎて参考にならんけども)
65ページもあったのにこんなに一気に読めちゃうなんてねぇ。ファンの贔屓目はあるとは思いますけど。

印象的な表情も多かったなーと思いましたよん。特にカズキの一つ一つの表情が、印象的過ぎます。
てーか、目が綺麗だなー…って凄く思ったなぁ。うん。

「あの惑星から」のページでカズキの姿が人間の姿に戻っているのは、その語られる決意が『人間』武藤カズキの決断だから、なのかなー…とか。まあ演出的なものでしょうね。
しっかしこの見開きは何度見ても辛いなぁ…重いなぁ…。

週刊ラスト以降の武装錬金はきっと読者選択型エンディングシステムを採用したんだよ!
とか、そんな与太話。
だから週刊版のラストが納得いかなかったのなら今回のファイナルをラストとすればいい。
今回のファイナルが納得いかないのなら次のピリオドをラストとすればいい。そんな選択型エンディングシステム。
私は納得いかないのでピリオドを楽しみにしたいと思いますが(ヲイ)そしてピリオドが納得いかなかったらまだ続けーとか叫び続けるの。きっと。
ちゅーかこの調子でがしがしと赤マルで続いて行けばいいさ、できればウルトラジャンプか月刊ジャンプに移籍してくれた方がありがたいのだけども。
(いやまあ、赤マル掲載分で黒い核鉄関係にけりをつけてだね。そのあとでUJなり月刊なりに移籍して今度は斗貴子さん方面の伏線回収でも全然オッケーですよ集英社!)