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武装錬金:第78話 決断を要す
前回ラスト、ヴィクトリアの「錬金術(このチカラ)がそんな簡単に みんなを幸せにすると思う?」から。
冷酷な少女の言葉に戸惑うカズキがなんか印象的、そして真意を問おうとする態度がすぐ手(というかバルスカ)に出てしまう斗貴子さんがあまりにもらしすぎるんですが。
まあ、それはともかく。母親にとげとげしい態度をたしなめられるもヴィクター同様に「錬金術の全てが嫌い」と、錬金の戦士と一緒にいることすら拒むヴィクトリア。
やっぱ…この100年でなんかあったんかねー?と。

そんなシリアスで始まっておきながらアレキサンドリアさんと会話し辛いっちゅーんでルリヲヘッド使って会話したいんで体貸してってな事になるんですが。
あー、ここで真っ先に体を貸そうとするカズキがとてもカズキらしいや。
んでも皆して体貸す事に躊躇するのはやはり誰が被ったかわからんような兜を被る事に抵抗があるからでショッカー(というか、どちらかというと体を貸すという行為自体への抵抗か?)
この、ルリヲヘッドを前にカズキ剛太斗貴子さんが顔を並べてる絵がちょっと今までになかった感じでお気に入り。
てかカズキのこーいうテイストで困った顔ってちょっとなかったよな、うひ。
あと、御本人様(脳みそだけど)の真ん前で堂々と「ブサイクなマスク」と言い切るパピヨンはすげーと思いましたですよ。

ジョジョネタに関しては、まあ…ワッキー好きだしな!
斗貴子さんが困りながら手にしたルリヲヘッドを無言で取って素早く被った剛太は男らしくバカだと思いました。ああもう、なんて愛しいんだ。お前可愛いよ、マジに可愛いよ!!

さて、コメディパート終了。
語られる100年前の、真実。
試作品の黒い核鉄を移植した事による、暴走。信じていた、錬金術のチカラに裏切られた…結果。
…ああ、前回の最初に凄い幸せ家族を見せられてるもんだから…その差が…、切ない。
あんなに、希望に満ちて皆の幸せを望んだ…錬金術のチカラが、皆に幸せをもたらす為にあると。そう語っていた、のに。
その、錬金術のチカラによってもたらされた結果が…コレ。
………ああ、ヴィクターが錬金術のチカラに憎悪を抱く要因は。やはりこの辺にあるんだろう、ね。
愛する人と、大切な仲間を、己の手で傷付けた…失った、その絶望。

そうして、7年間意識を失い、目覚めた時に見たのはたった一人、人ではなくなった娘の姿…と。
うーん、この空白の7年間がちょい気になるところ。この孤独な7年間に、ヴィクトリア嬢は何を思い、何を決意し、何故自らをホムンクルスへと『かえた』のか…あるいは『なってしまった』のか?
ヴィクトリア嬢の錬金術への嫌悪は、この空白の7年に鍵がありそうなんだけど…。

そうして、混乱の中、残りの黒い核鉄を盗み出し。ヴィクターが消息を絶ったこの日本(くに)に渡り、研究を始めて…。
あの沢山の脳みそはクローン増殖したものでしたか、ってクローンは可能なんだ、凄いなアレキサンドリアさん。

まず出来たのが、黒い核鉄の3をベースに開発した、黒い核鉄の力を制御し通常の核鉄へと戻す試作品(プロトタイプ)
…今、カズキの胸のうちにある…ソレ。
そうして、その試作品(プロトタイプ)を推し進めて、もうじき出来る完成品。
黒い核鉄の力を全て無効化する、白い核鉄―…。
黒い核鉄をマイナスとするなら、白い核鉄はプラス。二つの力を一つに合わせ、力を相殺しあえば0となる。
って、これで相殺しあって賢者の石になりましたとか言われたらどうするよ(えー

けれども、カズキが元に戻れるという、その事に…喜びと安堵で涙を浮かべる斗貴子さんが、ね。うん…そうか、5巻での「斗貴子の涙はまだ描かない」ってのは悲しみの涙ではなく、喜びの涙を…という事だったのかな。
斗貴子さんはきっと、今でもずっと、カズキを変えてしまった事に責任を感じていて。その罪の意識で、押しつぶされてる部分もあったような気がしていて。
…ああ、でもここでの涙は責任感とかそーいうのじゃないよなー…うーん、上手く言えないけど…やっぱカズキが元に戻れるという、その事に対しての純粋な喜び、かなぁ。

けれど、も。

白い核鉄は、黒い核鉄をベースに作られたもの。残された黒い核鉄はたった一つだけ―。

二人の”ヴィクター”に、白い核鉄は、一つ。
元に戻れるのは、ヴィクターか武藤カズキのどちらか一人―………。

選択権は、カズキに。選ぶのは、カズキ自身で。
タイムリミット提示、残り25日(推定)
―更に”決断を要す”―

…今回、最後の決断の所をこうやって打ちこんで。本当に手が止まりました。
カズキの性格からしたら、きっと白い核鉄でヴィクターを人間に戻す事を選ぶんじゃないだろうか、とか…でもそうすると自分自身の命を諦めなくてはならなくなる。
そうして、それは斗貴子さんとの一心同体の誓いがある以上、彼女をも巻き込むことであって…と。
でも…やっぱ、カズキは自分以外の人を、皆の事を考えるんじゃ…最後の最後で自分の命を諦めちゃうんじゃないか…と。
…あ、だめだ…また涙出てきた(というか、今日1日ここのシーンとかカズキの事とか考えてずーっと本当に泣いてたという…まあ他にも要因はあるんだけど)
でも、でもそれこそがカズキではあるんだけども。それでも私はカズキに生きてもらいたい、笑顔で再び銀成に戻ってもらいたいんだ。
ヴィクターの事とか、他の人の事とか、皆を守らなければとか、カズキはそうやってずっと、ずっと他者の事ばかり考えてきたけど。それでもカズキが自分自身の事を思ってもいいはずなんだよ!
なのに、なのになんでカズキにばかりこんなキツイ選択ばかり迫って…。カズキばかりが辛い目にあわなければならないんだよ。
駄目だ、極力冷静に感想書こうと思ってたけど…ここにきて、ああ…。
こんなにも…こんなにも冷静になれず、カズキの事を思ってずっとずっと泣いてる自分がいるんですけど。
でも、カズキは…幸せになってもいいと思うんだ。いや、本当はカズキこそが一番幸せにならなきゃいけないんだよ。
誰も彼も守ろうと、皆の為にずっとずっと戦ってきたカズキこそが、本当に幸せにならなきゃ辛過ぎるんだよ。

それでも、私はカズキ自身の選択を見守ろうと思うのです。
カズキ自身が選んだ事を、信じたいと思うのです。
例え、それが私にとってとても辛くて、悲しくて、切ない選択だとしても。
それでも、カズキ自身が選んだのなら…見届けたいと思うのです。

それこそが、彼を…武藤カズキという少年を。こうして見つづけてきた一つの意味だと思うのです。

願わくは穏やかな終息を、幸せな再会を。
彼と、彼等と、彼等を待つ人々と。全てが笑顔で再び巡り合える事を。

追記分:
とりあえず、ヴィクターが100年前からあの褌姿だってのが気になるんですけど!ってか、アレって絶対にバタフライのシュミだと思ったのに(えー
これ、思ったんだけども。普通の核鉄は心臓の代用になるのかなぁ?
カズキの場合はあくまでも『黒い核鉄』がベースになってるから心臓の代用品になったのか、それとも普通の核鉄でも大丈夫だったのか。でもヴィクターに黒い核鉄使ったって事は普通の核鉄じゃ駄目って事なのかなぁ。うーん。
黒い核鉄が賢者の石への過程の一つだとして、じゃあ次に白がきた…となると次に赤い核鉄になるのかなー?とか考えるのはあまりにもベタ過ぎますかそうですか。いやもう、なんでもいいよ…カズキを誰か救って…。
救えるのがカズキかヴィクターかどちらか一人だけだと知った時の表情が。辛い。
本当は、なんか色々と書きたいんですけど…まあ保留。来週分を見てから色々と語れるだけ語ろうと思います。