武装錬金 第54話:一心同体 |
:ああ、もう最初の3Pで既に号泣なんですが。泣いたんですが。 まあそんなこんなで順番に。 :場面は意識を失っていた斗貴子さんから。ふと気づくと手を握っていたはずのカズキの姿が見えず…。 そーいや、カズキが意識を取り戻す時をどんな風に描くのかなーとか思ってたらその辺は省略されてました。まー、へたにその辺描くよりは飛ばした方がまとまりいいわな。 「死んだり 生き返ったり」 「生き返ったり 死んだり」 …現状の、カズキの置かれた状況の異常性というか特異性というか…そういうのが凄く端的に表現する言葉が、それがカズキ自身の口から出てくるというのが…辛くて切ない。 戦闘終結の時、パピヨンに「都合よくゴマかすなよ」と言われた時とかもそうなんだけど、カズキは自分自身に辛い事とかあったりすると表情を隠すんだよね。 今回もそう、異端として切り捨てられて、師匠として慕った人に殺されて、それでも死ななくて、そんな状況普通だったら辛くて苦しくて悲しくて切なくて、自分の感情だけで爆発してしまうだろう筈なのに、なのにカズキは表情を隠す。自分の感情を押し隠す。だから余計に辛い。見ていて切ない。 そして「死んだり生き返ったり」の科白がすごくさりげなく発言されてるのもまた切ない、自分の現状を酷く的確にカズキが理解している事がまた辛い。今までのブラボーとのやり取りで一度絶望に叩き落されてるからこそのこの理解が悲しいくらいに痛々しい。 そんな状況なのにカズキは「大丈夫?」と斗貴子さんを気遣い「世話焼かせて ゴメン」と謝る。 自分の事だけで手イッパイのはずなのに、他者を労わる。他者を気遣う。 そして 「でも 状況を考えると多分もう」 「次はない」 「泣いても笑っても」 「あと六週間」 …もう泣いた、これだけで泣いた。今もこれ書きながらちょっと泣いてるし。 カズキ自身の口から「あと六週間」という発言、時間が無いという事を思い知らされたのが辛い。 それでもカズキは前を見据えていた事に、少し希望も感じた。絶望することなく、カズキには前を進んで欲しい。未来を見据えて欲しい。 「泣いても笑っても」…たとえ、ほんの些細な光明さえ見出せないような道だとしても、その道をカズキ自身が照らし上げて欲しい。歩き続けて欲しい。 そして扉、星空の下、ブラボーのシルエット。 『光くれた師、闇照らす敵(カタキ)――揺るぎなき正義は二つの顔をも厭いはしない…』 この煽りでまた泣いた、もう今回は最初の3ページだけで号泣。泣きっぱなし。 ここでブラボーのシルエット持ってくるってのも上手いよなぁー、泣かすよなぁー。ブラボーは今、何を思ってるんだろうなぁ…。 今回は基本的に現状把握&次への行動の提示、っちゅー話なんで特に大きな動きは無かったんですがー…。 あー、後半にでっかいのがあるからねぇ。あれは…どうしたらいいんだ。 んで、とりあえずパピヨン&桜花先輩サイド。 病院のシステムに入りこんでカズキの情報を引き出す桜花先輩、とりあえず読者にカズキのおかれた状況を説明。 パピヨンの茶化しに「余裕ブッこいていていいの?」なんて言葉が出るあたり、桜花先輩地が出てきてませんか?てかこーいうのが地なのか? てーかこの辺の桜花先輩の科白だけ見てるとカズキを助けたいのか売りたいのかよーわからん言い分だねー(ワザとだけども)腹黒全開で素敵。 そして茶化しパピヨンが可愛らしいんですが、P332の2コマ目のパピが何気に可愛い。 そうやって茶化して見せながらも「ああ だが」「NON!」以降のパピが良い、何気におちゃらけて見せても人外のもの、なかなかに恐怖を見せ付けつつも交渉を自分側に持ってくるところが素敵過ぎてどうしたもんか。 挙句の「この俺のために」「動け!」…惚れるね、パピヨンすっげーカッコイイよ。マジに惚れるよ。 そして桜花先輩の「…あらあら 私」「利用されちゃいましたわ」の黒い笑顔も素敵過ぎて。この二人のコンビって最初は考えもしなかったんですが、意外に上手くやってきそうで素敵だな。 しっかし、この二人の交渉見てると結局どっちが上手だったのかよーわからんねー。何気にパピヨンまきこんで尚且つ核鉄までゲットした桜花先輩がちょいリード? バタフライが使ってた本物のLXXの核鉄でエンゼル御前(ATで)復活ー、蝶々の羽根で。 ゴゼン様、蝶々の羽嫌がってるみたいですけど何気に可愛いと思うんですが。 これでパピヨンがカズキの元へ移動フラグが立ったねー。さー、カズキと合流した際の第一声が何になるのか楽しみだ。 パピヨンは何気にカズキに辛辣な一言を突き刺すからねー、この言葉攻めめ、うひひ(そういう発言はやめい) 再び海へ。 斗貴子さんがカズキへ埋め込んだLXXへ偽造されていた黒い核鉄、その核鉄を手に入れた一つ前の任務の学校へと行こう。という話へ。 「冷静に考えれば徒労に終る可能性の方が高い」っちゅーのはわりと現実的にはあり得るのですが…まあ漫画だし。多分そこでなにかしら次の展望があるんでしょう、その前に再殺部隊との遭遇とかもありそうだが。 それよりも斗貴子さん、カズキへもろに目潰しかましてますけど。ツッコミが目潰しですか、容赦ねーなー。 てーか今まで目潰しの直接描写避けてたんじゃないのですか?和月先生。 「大方キミのコトだ 六週間後 もし全てが徒労に終ってしまった時は」 「独りで自分に始末をつけるつもりだったのだろう」 …斗貴子さーん、それ蝶野編で自分がやろうとした事でしょうがー。とか思った人手を挙げてー。 本当に斗貴子さん変わったよなぁ、そして今回はあの時の斗貴子さんとの対比なんだろうなーとか。ワッキーはこうした対比による表現が好きだよねぇ。 そして………。 「これから六週間 キミと私は一心同体」 「キミが死ぬ時が」 「私が死ぬ時だ!」 うわあああああー、斗貴子さん斗貴子さん、それプロポーズだから。どう見ても。 「一方的な一心同体なんかゴメンだ だから」 「斗貴子さんが死ぬ時が」 「オレが死ぬ時だ!!」 うあー、なんか凄い事になりました。プロポーズに了承です、ラヴですラビィです。 んでも実はそんなにこのシーン、ストロベリーには感じなかったんですが。 てかね、正直恋愛感情云々じゃなくて『共に生き抜こう』という誓いに見えたんですよ、萌えよりは燃え。 戦友が互いに「最後まで生き抜こう」と誓ったかのような熱さを感じたのですよ。 斗貴子さんがカズキに感じてる感情って、なんなんだろうなー?と。 恋愛ベースなのかなーとも思うのだけれども、正直原作基準でいくなら負い目の方がでかい気がするんだよね。 最初は彼の一方的な勘違いとはいえ、一般人をホムンクルスとの戦いに巻き込んでしまった、人一人を見殺しにしてしまった。それは『私』の咎。 偶然持っていた核鉄で巻きこんでしまった彼を救う事が出来たけれども、その核鉄のおかげで彼を戦いに巻きこんでしまった。 彼は、誰よりも優しく、誰よりも責任感に溢れ、そして誰も彼もを救おうとして…ただ一人、傷つく。 それでも彼は、苦しくても、悲しくても、辛くても、誰かが苦しんだり、悲しんだり、辛くなったりする変わりだと思えば…と立ちあがり、正しき錬金の戦士として成長していく。 …けれども、誰彼をも護ろうとするべき力が、彼を誰彼からをも否定されるべき存在に変えてしまう、人外のものへと変えてしまう。 咎を負うべきは『私』けれども全ての禍が彼独りに降り注ぐ。 それが、負い目。誰彼からも愛されるべき存在を、誰彼からも否定されし存在へと変異させてしまった『私』への、引け目。 正直、この負い目が解消されない限りは原作基準では本当の意味での恋愛感情へと移行するのは難しいかなーとか思うんですけどねー。どうよ。 いや、二次創作的にいちゃいちゃラヴラヴは大好きなんでガンガンやってくださいお願いします。 あと『カズキは斗貴子さんから見た日常の象徴論』とかもあるんですがその辺書き出すとこのテキスト終らないんでまた今度にでも。 ちゅーか、こんな大科白を至近距離で目の当たりにしてしまった剛太くんが切ないよ。そりゃ愕然とするよ。 つかバルスカでつきぬいた手のひらのがこんなところで意味を持つことになるとは思いませんでしたよ、この対比が切ない切ない。 二人の前から無言で姿を消す剛太くん、っちゅーところで次回に続く。 なんか今回の展開からするに剛太くん敵対化フラグですか?うーわー、そりゃ辛いなー。 てかまあ、今回の件でカズキに対しての何かしらの感情を持ってしまったわけなんで、以前妄想でぶちまけた『剛太くんにはなんの柵も無しにカズキと友達になって欲しいなぁ』が不可能になってしまった感じで…残念。がくり。 でも本当に剛太くん、どうするんだろうなー…。ああもう続きが気になるんじゃー。 追記分: なんだかあの二人の宣言を読みながら、頭の中をゴスペラーズの『誓い』がエンドレスで流れていたのですが(まあ誓いの意味合いがだいぶ違ってはきますけれども) あたらしい世界も似合うかなーとか思って歌詞を読んでみたらなんか違ってた、おかしいなァ…似合うと思ったのに。 今後、剛太くんはどうするのかなぁー…てか海から引き上げてもらったってのを聞いたカズキがそのままほっとくとも思えないんだよねー。つーかカズキには礼を言う為にも剛太くんを追いかけてもらいたいなーとか微妙に思ってみたり…どうよ。 |